2015年01月の記事 (1/1)

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【第6話】明確なニードがない方に僕らは何ができるのか?

いよいよ、第6回となりました。

明確なニードがない方に僕らは何ができるのか?


この回をもってこのテーマは一度締め(しめ)ようかと思っています。


第5話は ➔ こちらをクリック


ということで、
この方の
昨日3回目の訪問に伺いました。


昨日のやりとりは…


「(先週の訪問から)1週間経ちましたけど、何かお変わりありました?」

Aさん

「奥さんの肩もんでて、テレビ見ながらやってると、途中で”弱くなったよ−”って言われるんです」




「…途中で弱くなる、ってことは意外に、(奥様が肩をもまれるチカラが)左右差気にならなくなってるんですかね?最初は。」


Aさん

「そうだね!!!最初は右手を意識して肩もんでるんです。その時は言われなくなったな。ただ途中でテレビに気がそれると、よく”弱くなる”って言われる!」


素晴らしい変化じゃないですか?

2年間変わらなかった部分が、たったの三週間で!

もちろん、まだ完全ではないですよね。

Aさんの発言にあるように、

”気がそれると、右手の力が抜ける”んです。

ここには注意配分の問題が影響します。

いわゆるダブルタスクってやつです(かっこ良く言うと)。

実際に虫様筋握りや、手背屈に抵抗を加えると、

「今からいきますよ」
「右手だけいきますよ」

と心の準備をして、右手だけに注意を向けていれば、
筋発揮の左右差はかなりなくなってきました。

でも
左右同時に抵抗をかけたり、
右手だけでも抵抗をかけながら足し算をしてもらったりすると、
途端に右手の力が抜けます。

本人も自覚があります。

来月からはこんな部分もやっていきましょう、

そして、
「テレビを見ながらでも、奥様と話をしながらでも、奥様が肩もみを気持ち良いと思ってもらえるようになりましょう」

これが来月の目標です。


ちなみに昨日の会話の中で、

「最近、家の鍵を開けたり、駅の定期を”ピッ”てやるのも、右手を使ってるんです。まだ少し違和感はあるけど」

「病気をする前は、右手でやってたんだけど、(脳卒中になってから)いつの間にか左手でやってたんだな、って気づいたんです。自然とやりやすい方でやってしまってたんですね」

と言われました。

多くの患者さんもそうだと思います。

わざと麻痺側を使っていない訳ではないんだと思います。

使えない、使いにくい状況があり、その中で試行錯誤した中でできたのが、今の姿なんだと思います。


ただ、まだまだご本人には潜在的な能力を持っていたとしても、
それに気づけるチャンスがなければ、

本人は今の状況が自分の能力だと感じてしまっています。


その潜在能力に気づくチャンスを作るのもセラピストの役割ではないでしょうか?



明確なニードがない方に何ができるのか?

急な発症で現実を受け入れられない急性期、

今後の見通しが立たない、改善のゴールが見えない回復期、

何らかの後遺症を抱えた中、ある段階での動きにくさを受け入れながらも、まだ改善することに期待を持ち、その中で毎日の生活を送る生活期、

ニードは常に変化し続けます。

昨日聞いたニードは、

今日違うものに変わっていることもあります。


患者さん・利用者さん自身も
何ができるのか、
どこまでできるのか、
それは達成できるのか、
無理そうなのか、

でもやっぱりやりたい…

といった思いが交錯します。

セラピストもはっきり改善します!!とは言い切れないのが脳卒中の難しさでもあります。


Aさんも初めは自分のニードを上手く表現できませんでした。

生活は自立、復職や車の運転もできる。
できないことはない。

でも違和感はある。


そして会話の中で、

奥様とのやりとりの中で
自分の右手が上手く使えていないことを実感する。

それに気づく。

右手の使いにくさが、毎日の肩もみを通じて
毎日仕事をしてくれている奥様への感謝の気持ちに十分答えられていない、という歯がゆさ。


そこがこの方の右手をもっと良くしたい、ということなのかもしれません。


ただ、これもあくまで僕がAさんとのやりとりの中で感じたことです。
真のニードは全然、別の所にあるのかもしれません。


訪問でもリハビリをしたい、でもニードがはっきりしない。

でもリハビリをしたい、という思いには何か本人の中で引っかかっている、
上手く言葉に表せない部分があるはず。

良くしたい目的や思いがあるはず。

そんな潜在的、内在的な部分を見つけ出し、
ご本人が気づくこと、そこに導けることが、
セラピストの役割の1つですし、

リハビリの始まりだと僕は思っています。


実際僕は直接的な介入はほぼしていません…

触ったのは評価くらいです。

本人の使いにくい原因に気づける課題を提示し、
あとは自分でやってみてくださいねー、とお伝えしただけです。


変わることに大切なのは、
セラピストが触ることではなく、

患者さん利用者さん自身が
自分のニードの達成を阻害している
問題に気づき、
その解決方法を身につける、

ということだと思います★



最後までお読みいただき、ありがとうございました!!



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【第5話】明確なニードがない方に僕らは何ができるのか?

では第5話です

第4話は ➔ こちらをクリック


前回は

できないことを繰り返せばできるようになるのか?

という問題提起でした。


僕的にはNOです。



そんなことで良くなったら苦労しないですけど…


この方は脳卒中になられて、2年間色々試行錯誤しました。

それでも
右手の違和感が全く変わらなかったんですね。


困っていることは、特にない。

仕事もできている。


その中でこの人自身の中では
自分自身で違和感の問題に気づきにくいのでは?という仮説が立ちました。


そこで
質問の仕方を変えます。


「病気をしてから、家族の方からよく言われることはあります?」

そうすると、


「そういえば、妻の肩を毎日揉むんですけど、右手の方が弱いって言われるんですよ」


とこんな言葉が返ってきました。

でも第1,2話あたりに書いたように握力は変わりない…

あれ、おかしいな?と考えてたら、

その方から

「一回、肩もみましょうか?」と。



「じゃあ、お願いしまっす!!!!」

と初回の関わりから利用者さんに肩をもんでもらう私(笑)


初回の訪問ということもあり、
うちの訪問ステーションのマネージャー(Ns+PT+介護士免許所有、独身)が同行してましたが、


こいつ…何やらせてんだ?(怒)


と思ったかもしれません…



そして肩をもんでもらうと、
確かに弱い…。


そこで仮説を修正します。

握力を測る際には
手指はDIP・PIPの屈曲力

肩もみでは
MP関節屈曲・母指×四指の対立、つまり手内筋メインではないかと。


そこで、利用者さんの横に置いてあったテレビのリモコンを
DIP・PIP関節伸展位でのMP屈曲にて挟んでもらいました。
(少し古いですが芸人さんの「さぁんぺぃです」)の手。

まずは左手、問題なし。

そして右手、

そのとき



あれっ?」と。

「これできないんだ…」と、病後初めてやれないことがあることに気づけました。

何か物を掴んだりと仕事の場面ではDIP・PIPの屈曲を上手く使って遂行していたんでしょうね。


多関節筋の浅指・深指屈筋でのつかみでは、
手関節・手指の分離が下手になります。

リモコンを持ったまま手首を動かそうとすると指のチカラが抜け、リモコンを挟んでおくことはより困難になりました。(自分的にはこれが検証作業)

手内筋と手首の分離のしにくさ

ここがやりにくさを感じる原因だろうと考えました。



手関節の分離のしにくさは手内筋を上手く使えず、多関節筋で代償をしていると思っていました。

そして効果判定は…

「奥さんへの肩もみで右手が弱い!!」と言われないようにすること★

としました。


この方は、以前のようにバリバリ仕事ができなくなった自分の代わりに仕事を頑張ってくれてる奥さんに感謝をしていましたし、
奥様のフィードバックは遠慮なく、言ってくれそうだったので★

本人の右手ではさむ、つかむという動きの向上は
奥さんの喜びにもなります。


その中で、より良い夫婦関係ができればさらに良いな、と思いその方法を提示しました★


では次は第6話です★

3/21(土)に摂食嚥下セミナーを開催!!

3月に摂食嚥下のセミナーが決定しました!!

日本全国で摂食嚥下についてのセミナーを開催されている
瀬戸貴史先生をお招きしての少人数セミナーです。


PT、OTでも摂食嚥下に関わることができる、
そのための基礎知識から評価、アプローチについて学ぶことができます。

急性期や回復期でSTや病棟スタッフと
摂食嚥下についてチームアプローチをするためにも、

また在宅でSTが直接関わることができなくても、
PTやOTが食べたい思いの利用者さんに何ができるか、
などを考え、学べる良い機会ではないでしょうか?

また摂食嚥下を学び直したい、
他のセラピストが摂食嚥下についてどう考えアプローチしているか知りたい
STさんにもおすすめです。

少人数での開催なので、お申込みはお早めに!!!



【開催日時】

3/21(土)

刈谷市総合文化センター
402研修室

9:30受付開始

10:00〜16:00(昼休憩1時間)

*お車でお越しの方は、駐車場の場所をご確認ください。駐車料金は自己負担でお願いします。


【定員】

先着20


【参加対象】

PT、OT、ST、摂食嚥下にご興味のある方



【参加費】

10000円 ➔ 早割8000円2/28までにお申し込みの方)

*お申込みを早くされても、3/1以降に参加費をお振り込みされた場合は10000円をお支払い頂きますのでご了承ください。


【テーマ】

STに任せっきりにしない、PT・OTができる摂食嚥下の評価と技術


【講師】

seto


瀬戸 貴史 先生
  (クリックすると、ブログにリンクします)



【申し込み方法】

こちらをクリック!!!

↓↓↓↓↓↓

3/21 Bridge「摂食嚥下」セミナー 申し込み


【セミナー概要】

地域包括ケアシステムの構築が進んでいくなか、今後、入院期間は短くなり、より家庭への流れになっていきます。そのため、まず入院中は栄養摂取をしっかりと行い、リハビリを通じてより早く退院できるように回復を促していく必要がありますし、家庭への流れなので、訪問リハビリの需要も高まってきます。そのなか、特に訪問では、まだまだSTが家庭に行って評価・治療を行うといったことが人数的にも少なく、PTやOTが対応していく必要性が求められてきます。
しかし、今まで、嚥下の評価・治療をPT・OTの分野でないからといって、任せっきりにしていませんか?

PTやOTでも摂食嚥下の基礎を知るだけで、ある程度は評価が可能となり、治療も行えていけます。
専門的な評価に関しては、VF(嚥下造影検査)やVE(嚥下内視鏡)といった評価や、物品を使用した評価で詳しく行うことがあります。評価においては、PTやOTと同じく、経験の差に左右されることがあります。
しかし、簡易的なある程度の予測がつく評価方法はあります。
今回、このセミナーを通じてお伝えするのは、道具を用いず、姿勢や動き、発声や嚥下の際に起こる現象から、嚥下を評価していく方法をお伝えします。
また、評価していくにも、嚥下の機能解剖を知っていないと、評価の意味が分かりませんので、基礎からお伝えしていきます。
基礎知識と評価方法を知ることで、PTやOTがアプローチできることがたくさんあることに気づくことができるでしょう。
患者さんの身体を触りなれているPTやOTだからこそアプローチできることがあります。その技術の一部をお伝えしてきます。

【セミナー内容】
摂食嚥下の基礎知識
姿勢と動き、発声と現象から読み取る嚥下の評価
食べ物を摂取する際に必ず必要となってくる能力の向上方法
嚥下機能を上げるポイントとは?
嚥下機能を上げるための手技療法




福島Bridgeの感想

1/25の日曜日、

福島県は郡山市で

初のBridge in 福島を開催しました★


福島1


多くの方のご参加、誠にありがとうございました!!


福島2


相変わらず饒舌の坪井くん。

福島3


相変わらず、説明ベタな私。

福島4



ということで、2日間、福島を満喫してきました。

本当に皆さん暖かくて、心地良い2日間でした。


【福島Bridgeにご参加された皆様へ】

当日の発表スライドを希望される方は、
個々にメールにお送りしましたが、

以下の5つ項目について、ご感想、ご意見を記載し、

bridgefjstar●yahoo.co.jp
(●を@に変換してください)

までメールをください!!


1 セミナーの良かったところ、悪かったところ
2 このセミナーをどこで知りましたか?
3 なぜこのセミナーに参加しようと思いましたか?
4 次回のセミナーで行って欲しい内容、テーマ
5 今回は郡山でしたが、東北地方、福島近郊のセラピストさんは、どの辺り(地域や駅の名前)で開催がアクセスなどで都合が良いですか?


お願いします★


【既に感想のメールをしてくださった方】
1/27 21:00までにメールを下さった方に対して、
スライドのメールをお送りしました★

・容量が大きく、メールでの添付ができなかったため「宅ファイル便」にてお送りしました。
・送信先が「宅ファイル便」にてメールが届きます
・人によっては迷惑メールに振り分けられますので、届いてないかな?という方は一度、迷惑メールフォルダをご確認ください。

*それでも届いてなかった方は、感想をお送り頂いたメールアドレスが間違っているか、携帯メールにて送信された可能性があります。その際はまたメールにてその旨を伝えてください。



では、皆様の感想です。


本日は、ありがとうございました。
バラバラだった知識が繋がった感覚で充実した時間を過ごせました。
明日から、行動してみます。
職場のスタッフにも伝えたいと思うのでスライドは大変助かります!
スライドの作りがおしゃれで、飽きずにあっという間でした!


とても親しみやすい、入りやすい講演で明日からの仕事にちょっとでも活かせればという気持ちになりました。
また、元気をもらえたかんじがしてとてもよかったです!


若い人たちが、自分たちと近い年齢の人たちが脳を学び、
それを臨床としっかり結び付けて考え、実践し、
こうして講師として活躍されているという事にとても力をもらっていると感じました。


一見難しく感じる話をポイントを押さえて分かりやすく話して
頂けたり、身近な具体例に置き換えて説明して頂けたので今まで自分が上手く理解出
来なかった部分についても理解が深まりました。

講義の構成にもまとまりがあって一つ一つ集中して御話を聴くことが出来ました。


本当によく勉強されていて、
もっと向上したいという気持ちがひしひしと伝わってきました。
そして、私ももっと向上しようという気持ちになれました。

セミナーに参加してよかったと思っています。


・ワークショップが所々に組み込まれていたこと。自分自身苦手ですが、やはり色んな意見が聞けたり相手に考えを伝えることで自分の中でも整理ができどこまで理解できているのかも確認できるので良かったです。

・セラピストの在り方が再認識できよかったです。


知識を詰め込むだけではなくどうしたら臨床に生かせるのかという視点で説明していただいたこと。
当院でも研修は定期的に行っていますがなかなか業務に生かせないのが現状です。

今回のセミナーを通してどのようにしたら知識が知恵となり業務に生かせるのかを知ることができました。

また患者さんの想い(ニーズ)を治療の中心として捉えていることがとても共感できました。ついついハンドリングのテクニックが先行してしまったり、筋緊張やアライメントを気にしすぎてしまい患者さんの想いが置き去りになってしまう現状がありましたが、セミナーを通して治療の原点を考えさせられました。


・おふたりとも聴講者が共感しやすい話し方をしてくださり,自分の振り返りにつながりやすかった.

・グループでの意見交換や隣の方と発表しあうなど研修の中でもアウトプットの場があって良かった.



といったご意見を頂きました。

また少しペースが早かったり、早口で聞き取りにくかったとのご意見も頂きました。

これは私ですね。

まだまだ未熟です。それに気づかせていただきありがとうございました!!!
もう少し、ゆっくりと話せるよう、今後気をつけていきたいと思います。


あともっと実技をしたかった、とのご意見も多く頂きました。

ただご感想の中にもあったように、
臨床に向き合うセラピストとしての
立ち位置が明確でないと

実技を中心にすることで
方法論が先行してしまう懸念があり、
3時間程度の時間の中では、
実技をする前にセラピストとして
考えて欲しいこと、を中心にお伝えするようにしました。


デモで行った実技は
あくまで、セラピスト側の視点よりも、
実技を受ける側、つまり患者さんの立場を少しでも経験してもらいたかった、という狙いで行っています。

触り方が少し違えば、受け手の経験が変わる。
セラピスト側が導きたい反応と
その時の患者さんの経験は同じではない

ということを少しでも経験できれば、と思います。


実技の希望が多いようであれば、
次回は実技中心でも良いかもしれませんね。


また皆さまから頂いたご意見を参考にしながら
次回の福島Bridgeの構想を考えたいと思います。


皆様、本当にありがとうございました!!!

【第4話】明確なニードがない方に僕らは何ができるのか?

明日は明後日開催のセミナーのため、
福島へ旅立ちます★

福島の皆様、よろしくお願いします!


では第4話へ。

第3話は  ➔  こちらをクリック



前回は、
ご病気をされてから、やらなくなったことを聞いたところ

キャッチボールをしなくなった、との発言がありました。

右手の反応のわずかな遅さから、以前通りにはできないなということは私は右手の反応の速さから推察できます。

じゃあ、どうしましょう?というところからですね。


じゃあ、キャッチボールの練習をしますか?

そんなアプローチは、僕はあまり好きではありません。


できないから、やる。

できないから、練習する。

できないから、繰り返す。



これって正しいのでしょうか?


できないことを頑張ってやったらできるのなら、
セラピストは必要ないかもしれません。


もちろん、継続して頑張るためには
セラピストや家族など他者の応援が必要なこともあります。


街中で跛行を呈している方を見ます。
片麻痺の方であったり、下肢の骨折をしたであろう方を見ます。

それは、

ただ回数を重ねるだけでは上手くならない

ただ頑張るだけでは、自然な動き、以前と同じような身体の動かし方は再獲得できない

という可能性です。



頑張ればできる。

できないのは努力が足りないからだ。

できるまでやっていないんだ。



正論なようですが、

脳卒中などで、
今まで通り身体が上手く動かなくなってしまった方にとって、
これは無茶ぶりであるようにも思えます。


自分の経験で、それで上手くいったことは多分、ありません。

それで良くなったのなら、
それはたまたまでしょうし、
患者さんの努力の結果だと思います。


多くの患者さんは、

頑張っても、繰り返しても、上手くいかないから困っている

のではないでしょうか?


頑張っても、できないからさらに頑張る。

それが不必要な筋緊張を上げ、余計に体を硬くしてしまいます。
そしてその硬さはさらに動きにくさを作り出し、
動くために、さらなる頑張りを生み出します。


繰り返しても、上手くいかないからさらに繰り返す

それが上記のパターンを固定化し、そのパターンがその方の動き方として定着してしまいます。


代償や努力的な運動パターンを作っているのは、

僕達セラピストかもしれません。




続く。

【第3話】明確なニードがない方に僕らは何ができるのか?

おまたせしました。

では第3話。

第2話は ➔ こちらをクリック


生活が自立しており、復職もされた右片麻痺の方。

右手の違和感が気になるとの訴え。

でも生活には困っていない…


そんな方に、
私たちセラピストは何ができるのか?

という話を前回までしました。


「普段の生活で困ったり、できないことはありますか?」
と聞いた時には、
「今は特にないなーーー。」と。


その言葉からは自分の生活で、今困っていることはないとのこと。

そこで僕は聞き方を変えます。

「病気をされてから、やらなくなったことはありますか?」

もちろん、その間には病気をされる前のことや、病気をされ今日までのエピソードなども色々聞いています。

そうすると、
「そういえば、キャッチボールをしなくなったなぁ」と。

これは、運動出力のわずかな遅れから説明できます。

そこで僕は、
「今、キャッチボールできそうですか?」

Aさん
「できなくはないと思うけど…」

僕「前と同じようには?」

Aさん「無理だろうな…」

このやりとりの中で、
キャッチボールが楽しくできる、ことは1つのゴール、達成目標にできるかもしれないな、と
僕は考えました。


”楽しくできる”

ここが大事ですよ!


ただ訪問に言った時に、

キャッチボールの練習はしません。

変えるべきはキャッチボールを楽しくできない違和感、ですよ。

大雑把に言えば運動出力を以前と同様のレベルにすること。
頭で思っている速さと実際の右上肢、手の反応速度に近づけることです。


でも…
どこの反応速度を高めるの?
適当に右手を使ってれば良いの?

ボールにぎにぎすれば良いの?
腕をふりふりすれば良いの?

ってゆう話です。

手が動きにくい、じゃあ手をたくさん使えば良いのか?

それならセラピストじゃなくてもできます。

そもそも、この方は仕事でも意識的に両手を使っているのに、
2年間違和感が変わらない、というエピソードがあるんですよ。


要するに、この方は自己流の生活での右手の使用の中では
問題となっている箇所を上手く使えない、ということがあるんです。

だから使えないから使えば良い、というだけでは右手の問題は解決しないはずです。

それをこれまでの2年間が物語っていますよね。


ではどうしますか?

第4話へ続く★


【第2話】明確なニードがない方に僕らは何ができるのか?

では、昨日の続き、第2話です。

第1話は ➔ こちらをクリック


ということで、

明確なニードがない方に僕らは何ができるのか?です。


昨日のまとめ:

・ADL全自立、車の運転も可能
・復職もされた
・主訴は右手の使いにくさと違和感



さて、皆さんなら何をしますか?

いきなり右手の運動をしますか?

何のために?
何を目的に?
何をもってゴールは達成されますか?


検査をすれば

・わずかな右手の握力低下(本人曰く、左手の8,9割程度)
・分離運動は可能だが、わずかにゆっくり
・手内筋の弱さあり
・右手の背屈の弱さ

です。上記の弱さも、初めから分かっていたわけではなく、この方(Aさんとします)との当日のやりとりの中で僕も気づきました。


じゃあそれを伝えますか?
右の手と手首が弱いんですよー、と。

で?????

どうするの?

生活に困っていないのに?

仕事もできてるのに?

この方は何を持ってそれを実感するんでしょうか?


筋力を測定して、上がりましたよ−!!!って言えば解決するんでしょうか?

この方は筋力を上げたいがためにリハビリを希望されているのでしょうか?

この方は普段の生活でも意識的に右手を使っており、
当日も自然と左手で字を書く場合にも、
右手が自然と出て抑える場面があったり、
リハビリとして、
わざわざ毎日洗車や家事もして右手も使われているとのことです。

だから単純に廃用、筋力低下として片付けられるものなのかなー、と僕は感じていました。



それだけ使っていても、
2年間、変化のなかった違和感は
不使用による廃用ではないだろう、
と上記のエピソードから考えました。


ただ
「普段の生活で困ったり、できないことはありますか?」

と聞いた時には、
「今は特にないなーーー。」と。


……………じゃあなんでこの方は、それでもリハビリをやりたいんだろう?と

考えました。


違和感、わずかな使いにくさ。

これが本人がどうにかしたい部分のはずです。

脳卒中の後遺症は完全には治りませんよ、と言っても
ご本人の問題は何も解決しません。
脳卒中の運動機能は85%の方に残存すると言われています。

じゃあそれを伝えたら何か変わるんですか?
治りたい、という思いを諦めさせることが僕らの仕事でしょうか?


わずかな握力の弱さ、手指の分離や出力のわずかな遅さ、
これらが違和感の原因ですよー、とお伝えすることも大事かもしれません。

原因となるものが分かることで、
少しは自分の手の使いにくさの理由が納得できるかもしれません。


でも…


この方は2年間、ご自分の右手と付き合ってきて、

そんなこと何となく分かってます。



何度となく、そんなことも言われているはずです。


でもどうにかしたい思いで、リハビリをしたいんです。


アナタには何ができますか?

第3話に続く。


明確なニードがない方に僕らは何ができるのか?【第一話】

どうも、新天地の訪問看護ステーションで働き出し、

10日が経過しました。

オリエンテーションやら営業やら、システム作りやらと
訪問業務には同行ばかりでしたが、
昨日、初めてこちらでの担当の方への訪問へ伺いました。

その方との関わりの中で

ニードって何だろう。
ニードが明確でない方に
僕らは何ができるんだろう、と思い書こうと思います。

一度に書くと、小説のようになるので、
ストーリー形式で、何回かに分けて書こうと思います★

では、
第一話。


2年ほど前に脳卒中になられた4,50代の男性。
検査上麻痺は軽く、Brunnstrom stageは検査では上肢・手指ともⅤ〜Ⅵ。
下肢はほとんど麻痺の様子はみられず、
階段もスタスタ登っていました。

仕事もされており、
仕事で車の運転もされています。

右手の使いにくさと記憶の問題が気になるらしく、訪問リハの依頼がありました。

そして初めての訪問。

話を聞くと、

「特に困っていることはないよ」と。

両手でビンやペットボトルの開け閉めや
右手での窓ふき、
掃除や調理もやっているよ、と。
元々両利きで、字は元々左手で書いているし、
仕事も問題なくやれている様子。

実際に握力を測っても、
右手がほんとにわずかに弱い程度。

手指の分離も少し遅いけど小指までできる。


でも色々話を聞いていると、

「でも、ずっと違和感があるんだよね」と。

「違和感は2年間ずっと変わらない」


少し表情が暗くなり、そう言いました。


ADLは全自立。
それもあってか、はじめは医師も訪問リハの指示書を書いてくれませんでした。

リハビリの必要があるのかと、そう考えたのでしょうか。

それでもこの方はこの右手を何とかしたかったんでしょう。


軽度の麻痺。

医療者にとってはADLも仕事もできるんだから、もうリハビリは必要ないでしょう。

そう考えたのかもしれません。


軽度。

検査の結果ではこう書かれますし、多くの重度の麻痺の方を見ている医療者であれば

麻痺が軽くて、手も動くし、仕事までできるから良かったね、と思うかもしれません。

ADL全自立。
復職もできた。



使いにくさ
違和感

でも生活には困っていない。

皆さんはこの方に対して、セラピストとして何ができるでしょうか?


明確でないニード。

ただ指の運動をすればこの方は満足できるのでしょうか?

週一回の介入で。



皆さんは何ができますか?


では次回に続きます。



Bridge メール会員 再募集

今後、Bridgeのセミナー情報や会員の方への限定情報などをお送りするために、
メーリングリストをリニューアルいたしました!

もちろん無料です★
セミナー情報を受け取りたい方は是非、ご登録をお願いします!


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【PC/スマートフォンの方】
http://ra9.jp/guide/mail_receive_setting
【携帯の方】
http://ra9.jp/mb/faq01.html

明日のBridge、会場のご確認を★

明日の会場は


刈谷市産業振興センター</strong>

504 会議室


開始10時 (受付9:30〜)

です!!!


以前アナウンスした会場と異なりますが、
電車でお越しの場合
JR刈谷駅で変わりありませんのでご安心ください。

1/10のBridgeに参加される方へ

【日時】

2015年1月10日(土)

開始10時 (受付9:30〜)


会場 刈谷市産業振興センター
(↑クリックするとアクセスが表示されます)

504 会議室




*駐車場はありますが、駐車料金が発生するため、電車でのお越しをおすすめします。会場は駅の目の前にあります


【テーマ】

変形性膝関節症の評価と治療 〜下肢・膝の役割から考える

講師:小瀬 勝也
(なかざわ記念クリニック|Bridge講師|理学療法士)

小瀬


【セミナー内容】

下肢運動器疾患を有した患者は、外傷、手術、退行変性など様々な原因で、下肢の役割を十分に果たすことができなくなった状態にあると言えます。セラピストには、下肢の役割を再建し、患者の動作・生活を再獲得する使命があると思います。しかし、患者の主訴の部位に必死にアプローチしてもなかなか結果が出ないことも多いのではないでしょうか?

変性性膝関節症の患者を例に挙げると、実は問題は膝関節だけに留まりません。

隣接関節である股関節、足関節に加え体幹・骨盤にも影響を及ぼしている事が多くあります。逆にこれらの部位の問題が膝に影響していることもあり、臨床像を複雑化しています。

また、患者は痛みにフォーカスする傾向が強く、セラピストも痛みのアプローチに偏る傾向があるように思います。もちろん痛みを改善する臨床力は必要ですが、痛みがとれたら何がしたいのか?といったQOL向上を考慮した介入が重要です。

今回のセミナーでは、下肢運動器疾患の中で臨床で多く経験する「変形性膝関節症」を中心に、私の考える「下肢の役割。特に膝の役割」、「臨床における評価と治療」をお伝えします。さらにQOL向上の視点から、セラピストは患者の為に何ができるのかを、グループワーク、実技を交えて参加して下さる方々と共に考え、理解を深めていきたいと思います。

2015年 Bridgeにビッグなゲストが来ます!

現在、愛知でのBridgeセミナーにお越しいただけるビッグゲストが
お二人、決定しております!


ではビッグゲスト、お一人目!!

鯨岡栄一郎先生

日本の福祉医療界 ナンバー1コーチ

4/25(土)セラピスト向けセミナー
 「リハビリテーションのためのコーチング技術と考え方」

4/26(日)多職種向けセミナー
 「患者さん・部下の心に火を点ける超コミュニケーション術」

★★★近日中に募集開始★★★
(予定を空けてお待ちください)


photo.jpg


【プロフィール】
鯨岡 栄一郎(クジラオカ エイイチロウ)

1971年7月4日生まれ 血液型O型 福島県いわき市在住
群馬大学医療技術短期大学部(現群馬大学医学部保健学科)理学療法学科卒

理学療法士として地域リハビリに従事するかたわら、
元老健の施設長だった経験を生かし、医療福祉施設、
事業所の経営者や管理職の方を中心にパーソナルコーチングを提供。

研修会・セミナーなどでの講演活動、2つのブログ、メルマガや専門誌等での執筆活動、動画配信も精力的に行っている。

2011年3月の東日本大震災の時は、施設まるごと千葉県鴨川市に避難するプロジェクトの指揮を取り、その取り組みはAERA誌にも2度、掲載された。

日本の福祉医療業界を元気にするお手伝いをいたします!


公式ホームページ

●ブログ:質問療法士クジラオカのマル秘質問ノート



ではビッグゲスト、お二人目!!


金子唯史(かねこただふみ)先生

7月上旬で日程調整中!
(4月上旬より募集開始予定)

テーマ
「エビデンスに基づく正常動作分析と脳卒中への臨床応用」


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【プロフィール】
・作業療法士
・1981年長崎市生まれ
・2002年 近森リハビリテーション病院入職
・2004年 順天堂大学医学部附属順天堂医院に入職
・2012,13,14年イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にて国際ボバース上級講習会修了
・翻訳書「近代ボバース概念 理論と実践」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」
・監修「エビデンスに基づく高齢者の作業療法」11月3日発売
・PT・OT・ST働き方学びサイト「POST」メルマガ 英論文講座担当

脳に疾患を患った方(脳卒中やパーキンソン病など)や、日々の身体のコンディションに違和感がある方を対象とする治療院をH27年4月頃、東京都内に開設予定しております。麻痺の改善、疼痛緩和、効率的な動作の獲得などを目的にしております。完全予約制、マンツーマンでの治療とマネージメントのご指導をさせていただきます。また、ブログは主にセラピスト向けの内容です。


●ブログ:エビデンスに基づく身体セラピー -STROKE LAB- official blog



です。


コーチングにバリバリの臨床家、お二人とも愛知での講演は数少なく、貴重ですね。

是非ぜひ予定を空けて、募集開始までお待ちください!!
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