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自然回復後の麻痺の回復 パート1

目の前の仕事に専念せよ。
太陽光も一点に集めなければ発火しない。
            
          グラハム・ベル(発明家)

現在、お一人だけ片麻痺の患者さんを担当しています。

もう1年半くらい前になるでしょうか。
CVAで発症した右片麻痺の患者さんです。

自分が回復期、そして退院後の外来を担当してました。
そして去年一年は自分の後輩に担当を変更していました。

そしてまた今年4月から
その後輩が回復期の専従になるやらなんやらで
回復期の患者さん以外を担当できなくなり
また自分に担当が回ってきた、という流れです。


まだこの患者さんお若いんです。
わたくし管理人の7,8歳くらい上なぐらいです。

最初に回復期で担当した時には
非常に重度でした。
麻痺側である右の身体では何が起こっているか
全く感じることができず、
その当時(4年目)の自分のハンドリングで、
なんらかの動きの変化があっても
本人は「分からない…」ばかりでした。
痙性も非常に高く、上下肢ともに
完全な共同運動パターンでの運動しか
できない状態。

それでもその患者さんの頑張りと
自然回復で何とか退院時にはT字杖歩行+APSにて
自立可能でした。

とはいっても
その後も
自立とは言っても
歩行時には上肢は屈曲してしまっているし、
麻痺側の振り出しは骨盤~下肢は一塊になって動いており
まさしく、右の下肢は
ただの硬い棒でしかなかった状況でした。
裸足で歩けば
内反尖足が強まり、初期接地では足底の外側が接地してしまうような
歩行でした。

そして後輩に担当を変更した一年間
うちとも相談しながらその後輩はすごく頑張ってくれました★

でもまだ歩行自体の問題は残存しており、
痙性や共同運動パターンは軽減しているけど
パターンそのものは残っている状況でした。

歩いている時には真顔になり、
話すのもぎこちなくなってしまう状況です。


自分は去年から整形病棟の担当になっているので
基本的に整形の患者さんしかみていません。

その中で、患者さんの心理や認知機能、という
昨年の勉強会でもちらちら話しだしたような
考えが今の治療ベースです。


4月に入ってから
その患者さんを再度担当させてもらうことになって

最初の日の治療時間40分のうち、30分は
話し、をしました。


患者さん自身が現在の歩行をどう感じ、
何を思っているか

を聞きました。


そこで出た言葉は
「屋内・平地はいいけど、外の道は歩きにくい」
「歩くと疲れるから、遠くへは出かけたくない」

ということでした。

さてこの言葉をどう解釈するか、
について

パート1ではお話したいと思います。

外の道は歩きにくい

ということですが…

平地と屋外の違いとは何でしょうか

情報量は違いますよね。
人や車が通ったりと視覚情報の変化は大きいです。
また屋内では比較的近い視覚物体、
壁やら天井やらがありますよね。

屋内の方が自分の動きを
視覚情報からも認識しやすいかもしれないですね
(壁などとの距離感がつかみやすいことなど)

ただこの患者さんは視覚情報の
処理能力自体はそれほど問題がないような
印象です。

動く物、車や通りすがる人など、
に対して過剰な反応を示すような場面は
みられないので。

ただ歩行自体はぎこちないので
通りすがる人などが自分に接近してくる場合には
立ち止まる、という選択をしますが。
(つまりは上手く距離感を保ちながらぶつからないように
微妙に進路を変更する、ということはできないんですね)

つまりは地面と麻痺側の下肢を上手く適応できないんですね。
すごく大雑把にゆうと。

この患者さんの麻痺側下肢の振り出しは
骨盤の挙上と回旋で行います。
下肢そのものは伸展・内転・底屈・内反で固定したまま

つまり振り出しは骨盤と麻痺側下肢と一塊にして
非麻痺側の股関節を回転軸としてコントロールしているんですね

というこは麻痺側の下肢はただのつっかい棒、のような
認識じゃないかと。

そして麻痺側下肢が床に着く、ことは
視覚的に見える足部を頼りにしている
という印象です。

骨盤を挙上しているために着こうにもなかなか
足部が着きにくい、
その中で足部の底屈が、
そして麻痺側下肢を信用していないためか
骨盤は麻痺側側は常に後方に引けているために
下肢全体は外旋方向に引かれてしまう
その状態で足部を接地するために内反の反応が
より強まっているんじゃないか、
と自分は考えました。

でもこの足部を治療しても
根本的ではないですよね。

骨盤自体のコントロールできていないんですから。

そしてなんで骨盤が過剰に働くのか?

それは麻痺側の振り出しを
非麻痺側の股関節、つまりは非麻痺側下肢で
行っているからですよね。

なんでそうなるのか?

単純には麻痺側下肢を使えないから
使えないと思っているから
使いたくないから

なんてことになるはずです。

この患者さんの場合は、
麻痺側の使い方を間違っている、
ことが会話の中で
分かってきました。

下肢を振り出す。
視覚的には足部を前に出すことは
股関節の屈曲でも
骨盤の回旋でもできてしまいます。

この患者さんは股関節で大腿部を動かす
ということが全く発想の中でなかったようです。

簡単には
太ももで動かす、
という言葉が患者さんが一番理解しやすかったようです。

非麻痺側と麻痺側下肢の動かし方を長坐位で比べる中でそれに
気づくことができました。
もちろん麻痺側下肢の動く範囲はわずかですが。

それに気づいた時に、
その患者さんは今までの歩行は
太ももじゃなくて
身体全体を捻ってた
と言われました。

それにさえ気づければ
その後の歩行では完全とは言わないまでも股関節での振り出しが
出現しました。
そして骨盤の挙上・回旋も自然に軽減しました。

太もも、が認識できたことで
今まで一塊であった骨盤・下肢から
骨盤と太もも、が分離できるようになったんですね。

身体感覚でそれが認識できたことで
骨盤の代償は軽減しました

そして太ももの運動になったことで
足部を過剰に努力しなくても
自然に足底は着く、なんてことが分かったようです。
その後はこれまた自然に
内反・底屈の過緊張も軽減しました。

足部がリラックスしていることで
ランダムな路面でも距腿関節・距骨下関節の動きが許されることで
足底が地面の傾きに適応することができるようになります。

それを患者さんに説明したら
すごく納得されたようでした。

それは1カ月経った今でも持続しています。
というか普段の生活の中でも
患者さん自身がある程度コントロールできるようになってきています。

またそのこと自体が
2つ目の発言であった
長い距離を歩くと疲れる。

ということにもつながっていると説明しました。
無駄に力が入りすぎている。
しかもそれは元々運度出力そのものが低下している
麻痺側だから余計に疲れる。

そして共同運動パターンで
不必要な場所やさらには
非麻痺側までもが麻痺側に合わせて
不自然な動きで歩いていれば疲れるのは
当たり前ですよね。
なんて伝えました。

この日は、というか
4月からの週1の外来において
基本的には触らずにアプローチしてます。

基本喋りです。
本人が気づき、自分の身体をできるような
リハビリでも
患者さん自身の注意や知覚、そして
運動そのものが変化する、
という臨床的な事実も非常に重要だと
管理人は感じています。

また気が向いたらパート2を書きますね☆
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