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注意障害と姿勢

PKを外すことができるのは、
PKを蹴る勇気を持った者だけだ.

      ロベルト・バッジョ


こんばんは☆

昨日、後輩のPTと一緒にCVAの患者さんの
治療をお手伝いさせて頂きました。

SAHを2回起こした方で
後輩曰く
「注意障害があってなかなかアプローチが持続しないんです」
「体幹がぐらぐらで座っていられないんです」
とのこと。

後輩が患者さんを座位にしているところを見ながら
観察。

確かに体幹も屈曲につぶれていて、
頚部もぐらぐらで自分で持ち上げることができず
床に顔が向いていて、
下から視線を見ていると
音がするほうに視線は動いているんです。

外から観察していると
気絶しているような姿勢なんですね。

自分で座ろうと全くしていない、
というか
座ろうとすることさえできない状態。

身体の反応をみようと後傾した骨盤を起こそうとすると
そのまま前に崩れ…

じゃあ胸椎の伸展は…
と思い介助すると今度は後ろにそのまま抵抗もなく倒れていく…

しかもその間 頭頚部は起こすこともなく
前屈方向にぐったりしたまま…

上位頚損の四肢麻痺患者さんのような
身体反応のなさでした。

右上肢は意味もなくぶらぶら動いていました。
何かをつかむこともなく、支持することもなく。

そして右上肢には視線が向いているわけではないんですね。


そんな感じで上記のことから
仮説を立てます。

・確かに何かに注意を持続して向けることはない
・頭部、体幹はぐらぐらで刺激に対して何の反応も出現しない
・視線は動くが、注視することは非常に少ない。
・右上肢は動きがある →左半球の言語野は残存している可能性がある。
 *下肢は両側とも随意的な反応はみられない。
・しかし言語指示には反応しない→とうより身体反応がないからできない?!

なんてことを大雑把に考えました。

重度な運動麻痺と注意障害があります。


ただし注視の少なさ=注意障害とはまだ確定できません。
頚部・体幹が不安定なので
何かみたいものがあっても
頚部をその方向に動かして
中心視に捉えようともできない状況なので。

本当は注視したいけど
頚部を自在に動かせない、動かすための
体幹、とうより身体がないので。

ということで
おでこと骨盤を介助して(どう介助したかは詳しく説明しませんが)
頭部~骨盤が安定、いわゆる重力に負けずに保たれている状態、
を徒手的に作ります。

介助のイメージとしては前傾した仙骨の腰椎との関節面に向かって
頭部の重さを脊柱を介して伝えている状態
を保つよう介助しました。


そうすると自発的に頚部を回旋させ、
さらには視線が回旋方向に追うような反応がみられました。

じゃあということで
後輩をもう一人手伝ってもらい、前に座ってもらい
患者さんに
「前の先生の手を触ってみて」
というと右手でリーチングしようと手を動かし出しました。

だけど上肢を抗重力に持ち上げることは無理そうだったので
後輩に患者さんの手掌を合わせるよう伝え
患者さんには
「前の先生の手を押して!」

といったら自発的にプッシュしようとする反応が出てきました。
視線も右上肢に少しずつ
持続的に向くようになってきました。

そのころには頭部・体幹もわずかにですが
自己にて保持するような反応ができてきていました。

…その後は下肢の方にもアプローチしていきました。
 割愛させてもらいますが、反応のなかった下肢も、
 右下肢は随意的に床をふんでふんばる反応が出てきました。


ということでこの患者さんの場合は
注意障害は二次的な問題で
最初に姿勢保持能力の低下が
大きな問題となっていると思いました。

姿勢が保持できないから
自分の見たいものがみれず、
ほしい情報が得られないために
刺激に対する反応が低下したために
注意が持続しなくなっているのではないかと
思いました。

姿勢保持に必要な頭部や体幹の反応は持っているけど
自分の身体の重さには全く勝てない。

そこでかなり多めの介助をし、
まずはほぼ全介助の状態で
頭部ー脊柱ー骨盤ーそして座面とのつながりを感じてもらう。

その中で見たいものが見れる条件を揃え、
見たいものが見れる、という経験を作る。

そうすれば見ようとする中で
姿勢を保持しようとする反応が出てきたのではないか
と思っています。

運動機能と高次脳機能は全く関連がないわけではないと自分は思います。

思い通りに動く身体があるからこそ
脳はほしい情報を運動(眼球運動も含む)を
得られるはずだと思います。

身体、脳、
どちらかにエラーがあれば
結果として
目に見える運動は不自然なものになります。

一緒に治療をした先生が
何かを感じてもらえれば、

自分たちの評価している以上の能力を
患者さんが持っていること

それを引き出すのはこちらの
知識・技術が必要なこと

を感じてもらえたならよかったと思います。
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