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片麻痺の運動機能回復と装具

できない子は、
生まれつきではなく、
できる子であるわけがないという
決めつけからつくられる。
          
        ピーター・ドラッカー(経営学者)


片麻痺患者さんの
麻痺の改善とは何でしょうか。


ブログを読んでくださっている方々の様々な考えがあると思います。
考え方の違いなど、種々意見があると思いますが
あえて書こうと思います。


損傷された神経線維が治る?
その周囲の神経ネットワークによる機能代償?

前者は自分は自信を持ってはっきりとしたことは言えません。

後者もそれを証明する手立てを持っていません。

一応Nudoが片麻痺でも脳は変化する、ことを言っていますが
それが目の前の患者さんに起きているか、を証明はできません。僕は。


国内外の様々な報告で
脳卒中後の運動機能回復が示されています。

それは上記のような何らかのニューラルネットワークの変化の結果であると思います。


臨床において患者さんの求める機能回復とは

以前のように動く(そして同時に動いていることを感じ取れる)身体を取り戻すことではないでしょうか?

そして経路はどうあれ、それが生み出される神経系のネットワークを再構築することだと思います。


ただ、最終経路である、皮質脊髄路などの下行路が障害されてしまえば
いくら脳内のネットワークを高めても
完全な運動機能を取り戻すことは難しいのかもしれません。

だけど少しでも残っているのなら、
何とかできないか、というのが正直な思いです。



ただ最近、自分の治療で感じていることは
自分のアプローチは麻痺を改善しているのか?、という疑問です。

もちろん自然回復は多々あると思いますが、
運動機能回復の改善が少し滞っている場合に、
自分のアプローチの後の変化がみられた場合に
実際に何が起こっているんだろう…と。


今の自分の思っているのは、
多分自分のアプローチは
患者さんが本来持っている能力や
自然回復により戻ってきた神経系の活動を
引き出しやすくしているのかな、ということです。


ないものを作っているのではなく、
患者さんが潜在的に持っている能力を
上手く発揮できるように導こうとしているのかな、という感じです。

それは損傷周囲であったり、損傷前に働いていた
何らかの認知、行動を起こすためのネットワークの代行能力であったり

発症によって変化してしまった脳の使い方の変化によって
残存しているけども使われなくなってしまった
ネットワークを再度使いやすくするための再学習を
行っているのかもしれません。
(元々は意識せずともできていたことが片麻痺、という経験によって姿勢制御や随意運動を意識的にならざるをえず、実はあまり意識しないほうが上手くできるにも関わらず、重い、分からない、動かないなどの片麻痺側の身体の感じ取りの変化により、どうしても意識的に行為を行わざるを得なくなっているのかもしれません)


もちろん
運動が生まれるためにはどのようなプロセスがあるか、
は考えないといけませんが。



ただいずれも
証明できない限りは
損傷されたネットワークをリハビリで治しているんだ!とも
今○○脊髄路が働いているだ、とも
言えません。

もしそれを
測定機器でリアルタイムに測定できたとしても

脳卒中によって、内部のネットワークが以前と同じように使えなくなった状況で、
例えば健常人と同じ部位や同じ経路が活性化しました。

というのが正解でもない気がします。

健常人と同じ部位が働く、ことが
脳卒中によって一部のネットワークが機能しなくなってしまった状態の脳にとって
良いか、悪いかも判断ができません。

逆にそれが上手く活性化することができても
目に見える運動の異常性が強まってしまえば
どう判断したらいいんでしょうか。


大雑把に言ってしまえば
自分の考える、そして今できるかかわりは

持っているけど、上手く使えなくなってしまった能力を
発揮しやすいように促している、という感じでしょうか。


声かけや徒手的な介入で
患者さん本人が
身体部位や何らかの感覚への
注意を向けたり、
その経験にある意味づけをしたりする中で
運動には何らかの変化が生まれます。



その変化が、患者さん本人が
良い、安心できると思えること

またセラピストの視点からも
動作の安定性や円滑性、
ある部位への過剰なストレスによる二次的な痛みの出現可能性の少なさ
など

患者さん本人、セラピストのお互いの基準が
良い方向に合致した際に、

これでOK!!と判断します。




えーと、長々と分かりづらいことを話しましたが

脳の中はどうなっているか分からない(証明できない)けれども
(もちろん、脳科学の勉強は少しはしています)

結果としての
患者さんの見た目の動きと
その動かしているときの患者さんの感じ取りが
良い方向に促していけること

が自分のリハビリで狙っていることなのかな、なんて思います。


見た目だけが良くてもいけません。
その患者さんが動く感じがします!とか
楽に動きます!という感じがなければ。


逆に見た目にはまだ努力性やぎこちなさがあっても
自分で動かしている感じがする
反対の身体と同じような所を使っている、
なんて感じが合った方が将来的には
問題となっている機能の変化に結びつきやすいのではないかな、
と考えています。



何かご意見などあれば頂けますとありがたいです。



では次に装具について書こうと思います。
あくまで私見ですので、ご意見は様々あるかと思います。

片麻痺の下肢装具についてです。今回は短下肢装具について簡単に思うところを書きます。

一昨日の一宮勉強会では
時間の使い方が下手で
自分のあまり上手く伝えられなかったので、
参加された方への補足になればと思います。


下肢装具ですが
大きくはADLの介助量のコントロールとリハビリ用の
2つの役割があると思います。


ADLの介助量コントロールですが
これは装具がなければ歩けないけれども
装具をつければ病棟で自立ができる
さらに早期の自立を患者さんも望んでいる場合に使います。

あとは病棟での看護師さんの介助量軽減の役目もあります。
重度の麻痺がある患者さんでは
移乗動作で介助量が増えることで
患者さんの離床機会はへるかもしれません。

また移乗動作が性急になるあまり、麻痺側下肢への配慮が不十分になり
移乗時に下肢の怪我を防ぐ役目もあります。


リハビリ用ですが、
下垂足があり、股関節の制御がまだ獲得されてない方では使うことが多いです。

患者さんは歩容よりも転倒しない、ことを優先することが多いと思います。
そうすると引きずりがあれば、どうしても引きずらないこと、が優先されます。

その状況で股関節の制御が不十分であれば、非麻痺側の支持で上半身・骨盤を参加させずに
麻痺側下肢を振り出すことは難しくなるからです。

股関節の制御がある程度できれば、鶏歩のように股関節屈曲を多めにすることで振り出しは達成できるかもしれません。

でもそれすらできなければ骨盤を挙上したり、上半身を反対に傾けたり、非麻痺足でつま先立ちをしたりして、麻痺側下肢の持ち上がらないことを何とか出すようにします。

それであれば装具を付けて、足底を滑るように出す方法を自分は進めることが多いです。
その方法は、下肢を上に挙上しないので、
挙上するほどの下肢の筋出力が出ない患者さんでも少しは使える可能性が出てきますし
(もちろんそのためには麻痺側下肢をどうしたら動かせるか、というコツを患者さんにもつかんでもらうためのアプローチを事前に、またはそのときに行います)

過度に骨盤や上半身を参加するパターンを助長することで、
本来残っている姿勢制御のパターンを代償で上書きされるリスクを減らせます。

また全身が参加すればするほど、重心動揺は大きくなり、
結局患者さんは大きくなった重心動揺を制御しなければならなくなり
さらに姿勢制御のための負担が増えてしまうこともあると思います。

バランスをとることに一生懸命になればなるほど
麻痺側へ注意を向ける余裕は少なくなるでしょうし、
過剰努力により疲労しやすくなるかもしれません。
周囲への注意を向ける余裕もなくなり、
急な状況の変化(人が通り過ぎる、急に声をかけられる)への対応の遅れが転倒リスクを増加させるかもしれません。


なんてことを考えながら装具の適用を考えたりしてます。


あと装具を使用してもいわゆる正常歩行はできません。

それは自分で一度履いて歩いてみたら分かります。

足底をぺたっと付けた状態での下肢コントロールしかできません。

いわゆる足部の動きが求められる
ロッカーファンクションは使えません。
足関節による立脚期の蹴りだしや
足趾の伸展によるウィンドラス機構は働きません。
(分からない用語は一度調べてみてください)

つまり短下肢装具は足部の本来の活動を
上手く引き出すことには適してはいないと思います。

装具により、下腿部を物理的に安定することで
患者さんはその部位を自分で制御しなくて済んでしまう恐れもあります。


装具をつけて上手く歩ける、だけを目的にしたらいけません。


患者さんは自宅でお風呂に入るときは裸足でしょうし、
夜中起きてトイレに行くのに面倒で付けないこともあるかもしれません。

装具は処方したら終わりではありません。

装具なしの状況ならどう動いたらいいのか?
また機能の改善によっては装具が下肢の能力発揮を阻害しているかもしれません。


毎日の患者さんの変化を見て
今何をするべきか?

患者さんに何を学習してもらうべきか?

を考えることが大切だと思います。
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